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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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うこん桜の香り

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「いつまでも子供扱いしないで」
「明日絵を描くんだろう」
「そのために来たのよ」
「どこで描くんだ、絵を見たいから」
「宿からすぐ近くにするわ」
「そうか、また明日会おう」
稔と波子は別れた。
翌日、波子は砂浜にビニールを敷き絵を描き始めた。
時間が無いので昼の食事はおにぎりを作ってもらった。
ピーチパラソルがあるとはいえ暑い。
なかなか思いどうりに絵は描けない。でも海を見ているだけで何となく気持ち良かった。
海水浴場でもなく、夕方になると波子1人になっていた。
やっと涼しくなり始めてきた。
「描いてるな」
稔が声をかけながら、コーラーの缶を波子に渡した。
作品名:うこん桜の香り 作家名:吉葉ひろし