うこん桜の香り
モデル
学校ほど何をするにも安全で安心な所は無いと、川田は考えていた。生徒は午後7時には校舎から完全に出なくてはならない。それ以降まで残るには、教師の許可が必要になる。
川田は水田波子にモデルを頼んだ。それもヌードモデルである。普通の感覚では生徒にそのようなことをさせるのがおかしい。川田は常識を超えても波子の白い肌を描きたいと思ったのだ。
波子も川田に好意を寄せていたし、例え裸になったとしても先生なら安心できると思ったのだ。
4月ではまだ寒い夜である。
「いいか、暗幕は閉めてあるから光は外には漏れないし、鍵もかけてあるし、学校には俺とお前だけだ」
「はい」
「記念になる。先生を信頼してくれ」
「はい」
「裸になったらその椅子に座れ」
「はい」