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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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うこん桜の香り

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百合は波子に似ている絵を見てもらおうと考えていた。
その後何回か川田先生に電話をしたが、都合が悪いと断られた。やっと約束を取り付けた。
百合が学校に迎えに行くと
「僕の車を出します」
と言った。其の車はベンツであった。
「いいお車乗っていらしゃる」
「親父のお古です」
「お父様は何のお仕事です」
「弁護士です」
「すごいですね」
「僕は頭が悪いからこの仕事にしたんです」
「先生ですからご立派ですわ」
「先生も嫌いなんです」
「どうしてです」
「絵を描いているのが一番好きです」
作品名:うこん桜の香り 作家名:吉葉ひろし