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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第二部・第一回・参】そして僕にできること

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制多迦が変わってきている
強めに吹いた風が風鈴を鳴らした
今まで制多迦と対等にいたのは矜羯羅ただ一人
同様に矜羯羅と対等にいたのは制多迦ただ一人
だけど
向こうの階級が関係ない【こっち】では皆が対等
それ故に変わってきた
やはり今までにない【時】になるのは間違いない

「…しゅら?」
「あ? あ…アハハハハいやいやすまんきに;」
ぐるぐると考え込んでいた阿修羅が制多迦に呼ばれて頭をかきながら笑う
「つまり…タカちゃんはがらっちょが好きだから緊那羅にヤキモチやいちまったんきにな」
「…うなのかな…でもどうして今までなかったのに…うー…ん…;」
抱えた足をパタパタ動かして悩む制多迦
「そりゃタカちゃん…タカちゃんが変わってきてるってことだな」
「…くが変わってきてる…?」
制多迦が顔をあげた
「だから今までなかったことが出てきたん違うかな」
「…ままでなかったこと…」

それが制多迦にとっていいことなのか
これが矜羯羅にとっていいことなのか
そして【時】にとっては…
少なかれ【時】に影響があることだけは間違いない

阿修羅の眉間にシワがよった

「あっいたいた制多迦」
緊那羅の声にハッとした阿修羅
「よっ緊那羅」
「あれ? 阿修羅きてたんだっちゃ?」
近づいてきた緊那羅に阿修羅が片手をあげる
「…んなら…矜羯羅は?」
「制多迦がいつの間にかいなくなったから探そうとしてたのを止めてきたっちゃ」
「だってさタカちゃん。いってやり」
阿修羅が制多迦の背中を叩いた
「…も近づいたら風邪うつるって矜羯羅嫌がる…から…」
小さく言った制多迦がうつ向く
「私なら近づくの嫌なら探しにいこうとか思わないっちゃ」
「オライもだな」
緊那羅と阿修羅が言う
「いってき? タカちゃん」
阿修羅が笑いながら制多迦の頭をくしゃくしゃに撫でた
ボサボサになった髪で制多迦がうなずくと立ち上がる
不安そうな顔で緊那羅と阿修羅を見る制多迦
緊那羅と阿修羅が笑顔を返すと制多迦の顔がほころんだ
「そうそうタカちゃんはやっぱその顔がいいんきに」
へらっと笑顔を残して制多迦が矜羯羅の元へと歩き出した


「緊那羅」
「なんだっちゃ?」
「竜…いるけ?」
「竜…だっちゃ? たしかさっき茶の間に…」
「そうけ…」
阿修羅が立ち上がると
「邪魔すんきにー」
縁側から家に上がった