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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第二部・第一回・参】そして僕にできること

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矜羯羅が寝ている和室の前で緊那羅が足を止めると少しだけ戸を開ける
その隙間から中を見た
「入らねぇあるか?」
「…うん…」
開けた戸をゆっくりと閉めた緊那羅に分が聞いた
「…寝てるから」
苦笑いで言った緊那羅が戸に頭をつけると目を閉じる
二人並んで寝ていた制多迦と矜羯羅
その二人が繋いでいた手
ずっと一緒にいたという制多迦と矜羯羅
その【ずっと一緒】が少しだけ羨ましく思った
昔自分は京助と一緒にいた
でもそれは【操】として
【操】として京助と一緒にいた時間は【緊那羅】である自分にはわからない
覚えていない
京助は覚えていたとしてもそれは【緊那羅】ではなく【操】との…
「緊那羅?」
「あ…ごめんだっちゃ;」
分に呼ばれて緊那羅が顔をあげた
「もう少したったらまた呼びにくるっちゃ」
ちらっと戸を見た緊那羅が歩き出す

京助は【緊那羅】で…私でいいといってくれたのに
まだ何の不安があるのだろう
自然と大股になった歩幅で向かったのは何故か茶の間ではなく元・開かずの間
薄暗い部屋の中に入ると窓を開けた
「気持ちいいあるな」
「うん…」
緊那羅の髪を少し冷たくなった風が撫でる