「レイコの青春」 37~39
(続)アイラブ桐生・「レイコの青春」(39)
認可保育園への道(6)桐生女の底力
桐生芸者の総元締め(正しくは、置き屋の女将です)、
八千代姐さんのきわめて破天荒な、行動ぶりが始まりました。
停滞中の資金調達と募金活動を再開させるきっかけとして、
まずは、商工会議所のトップ達を軒並みいっぺんに「攻める」
と言い出しました。
「そこは私たちも、最初の頃に、
何度も訪問をしましたが、そのたびに、物の見事に、
かつ、丁重に断られてしまいました。」
陽子が横から悲観的な口をはさみます。
しかし八千代姐さんは、それには全く耳などかしません。
運転している靖子の肩を叩くと、反対方向を指さして、郊外にある
大きな弱電工場の名前を口にしました。
作品名:「レイコの青春」 37~39 作家名:落合順平