超伝奇!天界大戦争 ベルリンの恋人たち
PPマークの原子銃が引き金となって、共産圏の命運をかけたグラスノチは発動した。グラスノチとは一般には情報公開令のことさすが実は共産圏再生のことを意味していた。かかる経済政策の生き詰まりから80年代末期共産圏は苦しい体制運営を続けていた。これは、単に体制が行き詰ったからではなかった。このガブリエルに代表されるような。まるでロシア末期の怪僧ラスプーチンのようなオカルト集団犯されていたからである。だからである。KGB長官ヤナーエフは憂いていた。ガブリエルら民主化勢力も胡散臭ければモスクワの執務室を牛耳った謎の青年これも相当危険ではないのか?モスクワ市長エリツィンは明らかにガブリエルに傾倒している。KGBにもいかれた副長官プーチンがいる。こいつも相当ガブリエルらにメロメロだ。ヤナーエフはよく知っていた。ガブリエルらとエリツィンやプーチンの爛れたいかがわしい肉体関係!思い出しだけでも反吐が出る。何が民主化だ!いかれていやがる。退廃化以外何者ではないだろうか?青年もそうである。書記長は青年のいうがままで、周りにはアルクスニスら軍部が取り巻いている。彼らは民主主義を憎み全体主義の維持ばかり考えている。最近ではジリノフスキーという民族主義者と徒党を組んだりもしている。彼らは体制維持ができればイデオロギーなどなんでもいいのだ。古きよきマルクスレーニン主義者であるヤナーエフは孤独だった。この国にはもう社会主義など信じるものなどいない。くっそったれ!ヤナーエフはこの国の滅亡を予感して身震いした!終わってたまるか! アルクスニス空軍大佐は既に宇宙にいた。遠くに軍事衛星同志ミーシャが不気味に浮かんでいる。「エネルギー充填まで後どのくらいかかる」[8.2宇宙秒です同志アルクスニス!」これでモスクワのダニ共が一掃できる。アルクスニス愉快だった。あのミカルエルコフ ミラノコフという若者なかなか面白い、ゴルバチョフがどこから連れてきたのかは知らないが、彼ははじめ前KGB長官ツガーノフに連れられてモスクワ入りした。ツガーノフは熱心な遷都論者で、ゴルバチョフより権力に近かったが中央アジア遷都論がモスクワには受け入れがたく失脚した。失脚後はどこに行ったかは不明だが彼が黒幕であることはアルクスニクスには想像出来た。モスクワも長くないな。この考えがアルクスニクスには愉快であった!滅びよ!愚かな主義者共! ソビエトのシャトルサターンにアメリカのシャトル2から無線がはいった。「こちら USA チアキ ムカイ・・・STAN応答を求める」ミス ムカイは実は生粋のアメリカ軍人である。まるで民間人とでっち上げたが民間人にシャトル乗車は無理である。考えてみれば当たり前である。「こちら ソビエトSATN・・・ ヨンヒ キムこれより木星から来るUFOの護衛に当たる・・・後方支援よろしく!・・・」アメリカのシャトル2はソビエト空軍と共同作戦をとっていた。ヨンヒ キムは昨年韓国の航空機を爆破してきた。これは、実はモスクワは2年後の1990年韓国との国交樹立タイムスケジュールに入れていた。しかしこれを嫌う朝鮮政府は1989年の青年体育大会のボイコットを訴えてきた。国交樹立阻止の圧力である。もともと韓国情報局のヨンヒ キムにモスクワは要請した。何よりその航空機にガブリエルが乗っていたのだから。多少の犠牲はかまわなかった。だが ガブリエルは生きていた。だから、ヨンヒにはわかる。同志ミーシャにはガブリエルは倒せない。倒すのは木星からくるUFOだと。なぜか確信していた。それは、昔から決まっていた。なんとなくヨンヒにはそう感じるのであった。 ゲオルグには声が聞こえていた。モスクワの青年ミカエルコフの声である。彼は確実に同志ミーシャの射線軸をゲオルグに教えていた。精神は導き示している。ナターシャGは感じていた。この東洋人のドイツ人、ゲオルグはまるでモスクワの青年の一部であるかのように導かれここにいる。彼を東ドイツの大学から国家保安局員に抜擢したのはモスクワの黒幕ツガーノフその人であった。ツガーノフ ウラノスコフこのモスクワの怪人は、この体制の危機を最も熟知している。ミラノコフとてツガーノフの後ろ盾があればこそなのである。ミラノコフとゲオルグはあったことすらないのよ!ナターシャGには何か歯がゆかった。 今だ!ゲオルグのサイコシネシスは青白い炎とかしてガブリエルの足元を固定した!くぅクッソウ!放しやがれ!このエテコウ!ガブリエルは歳暮にあるまじき口汚い言葉で罵った!「見かけどおり汚い女だぜ!」い放つゲオルグ!同志ミーシャはその恐ろしき殺人ビームを発射した! アルクスニスは同志ミーシャが金色に輝くのを眺めていた。「終わったな」これでガブリエルら民主派も終わりだ。後はプーチンら民主派の逮捕とモスクワの年寄りどもの一掃だ。それに今回の本当の目的!土星から来た。宇宙人やつらはNASAにわざと捕まりネバダの地下室でよからぬ。陰謀を企てている。ゼファーそう奴こそ悪魔である。 同志ミーシャのビームはガブリエルを直撃した!大地はうねりを打って砕け散った!尋常のものなら持たない! ゲオルグはサイキックバリアに包まれながら思った。終わった。あのクリスティーナという天使みたいな羽根をもった女の子!あの娘と暮らすのもいいな。同じサイキッカーかもしれないな。 クリスティーナは見つめていた。ガブリエルがビームに焼かれて蒸発していくのが。しかし、その眼光はガブリエルの中央に真っ黒く光る影があることを、その影は確実にどす黒い力を蓄えている!クリスティーナは叫んだ!「ビームをとめて!それは怪物にエネルギーを与えているだけだわ!」ゲオルグはその意味が飲み込めないでいた。ガブリエルは確実に蒸発している。終わりである。なのにまだ何かいるのか!いるとしたら!「再臨のイエスよ!」 クリスtx-ナは絶叫した!「母親の母体の中で同志ミーシャのビームを喰らいながら再臨のイエスは急激に成長しているわ!」「あの子を世の中に出してはいけないのよ!」 ゲオルグもナターシャGもぞっとしたそんなもの人間ではない、化け物だ! まさか! そんな! ゲオルグはまた声を聞いた。声は言う「アンチ・キリスト!」・・・黙示録の化け物が母親の母体を喰らい、この世の中にでてくるのか!ゲオルグにゲオルグの背中には強力な痛みが感じられた!「いてて・・・!」その瞬間!ゲオルグの背中から巨大な翼がはえた!「なんなんだ!俺は・・・俺は何なんなんだ・・」戸惑うゲオルグ。クリスティーナは続ける「ミカエルエンジェル!」「ミカエルの6人の使徒のひとりゲオルグよ!向かいなさいモスクワにいるミカエルの元へ!」・・・俺は人間だ・・・ゲオルグはこだわっていた。人間だ!神など信じたこともないこの俺が天使だと・・・使徒だと?・・・「モスクワに危機がせまっています!モスクワに!ここはもう巨大な闇に包まれます!早くモスクワに!」ナターシャGは懐の携帯電話を取り出しモスクワのミカエルコフにホワイトラインを開いた!「ナターシャGです!事態が掌握できません!ミカエルコフ指示を!」携帯電話の向こうのミカエルコフは応答した「クリスティーナは正しい!既にネバダ空軍基地
作品名:超伝奇!天界大戦争 ベルリンの恋人たち 作家名:伊藤哲典