「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十一話
「恵子さんはどうなの?」典子は聞いた。
「映子さんと同じよ。彼が求める時は断らないけど、自分から積極的に求めたりはしないの。心がつながっているから、信じられるから逢っている時間が幸せなの。私も10年若かったら今よりは少し求めているかも知れないけどね」
「ふ~ん、そう言うものなんだ。セックスに関心が強いのは私だけっていうことになるの?それって・・・いけないことなの?」
典子は自分が満たされない部分を求めていることを改めて知らされた。恋愛が始まっている他の三人とは何かが違うって思えた。
「典子さん、私も夫には満たされなかったわよ。でもそれは身体じゃなくて本当は心だったの。
彼とこうなってよく解るの。あなただって、彼が出来たら同じように感じられると思うわ。彼を一番強く感じていられるのはつながっている時だからセックスは素敵って思うけど、圧倒的にそうじゃなく過ごす時間のほうが多いからそこで満足出来ないと彼の存在自体に不満が出てくると思うの。
信じられる気持ち、愛されている気持ちが一番素敵って思える」
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十一話 作家名:てっしゅう