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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第二部・第一回・弐】しっぽの気持ち

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「わっ;」
「だっ;」
廊下の角で緊那羅とぶつかりそうになって2人して声をあげる
「京助;」
「なん…っだっ;」
「なぁっ!?;」
止まった京助の後ろから来ていた制多迦が京助にぶつかり前のめりになった京助が緊那羅を巻き込んで倒れた
「…めん;」
制多迦が申し訳なさそうに謝る
「京助びしょびしょじゃないっちゃか;」
京助の髪を触った緊那羅が言った
「悠助もびしょびしょで今慧喜と…」
いきなり京助が体を起こすと立ち上がりバタバタと駆けていく
ぽかんとする緊那羅と制多迦
「…どうしたんだっちゃ…?;」
緊那羅が制多迦を見上げると制多迦が苦笑いで首をかしげた

自分の部屋に入った京助が戸を閉めるとずるずる戸に寄りかかり座り込む

何かが変

それは自分でわかるようでわからなくてそれが気持ち悪い
「だぁぁぁッ;」
思わず声を出した京助の体が後ろに倒れた
確かに閉めたはずの戸はいつの間にか開けられて倒れた京助を見下ろしていたのは
「よぅおかえり」
にこやかに笑う父竜之助だった
「勝手に開けんなよ;」
京助が竜之助を見上げて言うと竜之助がしゃがんだ
「風呂いくぞ」
「は?;」
「風呂」
「なんで;」
笑う竜之助
起き上がった京助が濡れている髪をかきあげた
「風呂にはいくけど…」
「節電だ一緒にはいるぞ」
「はぁ?;」
「ほら早くしろ早くパンツ持ってこいよ」
立ち上がった竜之助が歩きだす
「とりあけず大事なところ隠せるもんもって風呂にこい」
「いや…タオルの三文字言えばいいだろ;」
竜之助が見えなくなると京助が立ち上がった
「…行くべきなんかこれは…」
濡れた服がいい加減冷たい
「…はぁ;」
ため息をついた京助が壁にかけてあったバスタオルに手をかけた