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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第二部・第一回・弐】しっぽの気持ち

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少し高台にある栄之神社
そこの境内にある御神木にのぼれば正月町がほぼ見渡せる
枝に腰かけていたのは人型になった阿分
「わからんある…」
阿が呟く
「空と天が一緒にいるとかわからんある」
そんな阿を分が黙って見た
「我らどうすればいいあるか…」
「…阿…」
阿の四本の尻尾が垂れ下がる
「制多迦に撫でられたとき…嫌じゃなかったあるよ我」
分がぽつりと言った
「阿はどうだったあるか?」
「…嫌…じゃなかったある…」
阿が口を尖らせながら答えた
「君たちが知ってる制多迦じゃないからね」
自分たち以外の声がして阿分の耳がピンッと立った
ガサッと音がして逆さまになった矜羯羅の顔が阿分の目の前に下がった
「きゅ----!!!!?」
甲高い鳴き声が響く
「…うるさいよ」
矜羯羅が耳を塞いで眉を潜める
「なっ…何あるかっ!!」
「びっ…びっくりしたある!!;」
2人抱き合った阿分が矜羯羅に怒鳴る
阿分のいる枝より一つ二つ上の枝にいたらしい矜羯羅
くるんと体を回転させると阿分がいる枝と同じ高さの枝に立った
「待ち伏せしてたあるかっ」
「別に…ここ涼しいから」
ザザザっと葉の間を風が通った
「…何もしないよ」
矜羯羅が幹に背中をつけて枝に腰を下ろす
「こんな近くに矜羯羅いるある…」
「でもなにもしねぇいってるあるよ」
ぼそぼそと小さく会話する阿分
「…んがら見っけ」
今度は下から矜羯羅や自分たち以外の声がした
ふと見れば阿分のいる枝にかけられた二本の手
ゆっくり下を見るとクロを頭にのせた制多迦が見上げてへらっと笑った
「きゅーーーー!!!!?;」
再び甲高い鳴き声が響いた