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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第二部・第一回・弐】しっぽの気持ち

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チャポーン…

某歌のように天井から湯気によってできた水滴が湯船の中に落ちた
「来たか」
戸がガラッと開いて京助が入ってきた
そして風呂椅子に腰かけるとシャワーを頭から浴びる
「…なに見てんだよ;」
視線を感じて京助が顔をあげず言った
「いやさすがに大きくなったなと」
「そりゃそうだろ…14だし」
シャワーを止めた京助がシャンプーを手に出し髪を洗い始める
「シャンプーハットも使わなくていいみたいだな」
「んなの悠も使ってねぇっつーの;」
「ハッハッハ」
竜之助の笑い声が浴室に響いた
「京助」
一瞬静かになったと思ったら名前を呼ばれ京助が泡立った頭のまま顔をあげると竜之助が真面目な顔で京助を見ていた
「緊那羅が好きか」
「…は?」
ぽかんとする京助
「緊那羅が操だったのは知っているだろう?」
「…ああ」
京助がシャワーで泡を流しながら答える
「お前は操が大好きだった」
キュッと蛇口が鳴ってシャワーが止まった
髪からしたたる水滴
「お前は緊那羅として緊那羅が好きか」
「……」
顔を上げない京助
「んなのどんでもいいじゃん」
京助がリンスを手にしてガシガシと頭につけながら言った
「大事なことだ」
「…緊那羅…は…」
うつむいたまま京助が聞き取れないくらいの声で答えると竜之助が微笑んで京助のを撫でた