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タクシー強盗の恐怖

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 明るくなったのでアクリル板に貼ってある「防犯カメラ作動中」と印刷されたステッカーが見えるようになっていた。男の顔色が急変した。
「大丈夫です。私が営業所に帰っても黙っていれば、車内の画像は自然消滅ということになりますから」
 男は安堵した顔で自分の家に帰りたいと云った。今井は男から聞いた住所をカーナビに入力しようとしたが、それは余計だった。そこが男の住まいのすぐ近くだったからだ。
 車が自分の住まいの前に到着すると、
「そうかよ。本当に、警察沙汰にはしないんだな?」
「猫が好きだという点では、仲間じゃないですか」
「俺、あんたを信用するよ。しかし、悪いことしたなぁ。あんたみたいに、いい人がいたんだなぁ。ありがたいことだよ」
ルームミラーの中の強盗を企てた男は、大粒の涙をまぶたから溢れさせた。今井は感動していた。