「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十話
旅行の話しが一通り済んで話題が美紗子の彼に移った。
「ねえ、彼のこと教えてよ」映子が聞いた。
「うん・・・同級生なの。門井剛史くんって言って、奥様を病気で亡くされて今は娘さんと一緒に浜松に住んでいるの」
「同級生なだけ?中学の時に好きだったとか・・・じゃなかったのかしら?」恵子が鋭い突っ込みをした。
「ええ、話はしなかったけどそういう感じが少しはあったわ。成人式の時に彼女連れていたから告白出来なかったしね・・・そんな想いがずっと残っていたのかも知れなかった」
「ふ~ん、偶然と言うのか、運命の引き合わせと言うのかとにかくお互いに好きと言う気持ちを持って再会したのよね?」
「映子さん、結果的にはそうなのかも知れません」
「ひょっとして、逢ってその日に最後までしたの?」典子はメールの返事を疑っていた。
「ゴメンなさい・・・本当はそうなの。でもあなたのメールにはそう書けなかった」
「恵子さんといい、あなたといい、恋に落ちるってそういうことなんだよね・・・なんかやっぱり羨ましい」典子はしょぼんとした表情を見せた。
作品名:「セックスアンドザシックスティーズ」 第二十話 作家名:てっしゅう