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最後の魔法使い 第五章 『再会』

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 一体いつまで時間が稼げるのか、それはアレンには到底分らなかった。とりあえず、今なすべきことは、一日でも早く火の魔法を実践レベルに使いこなせるようになることだとジュダは言った。

ある日、いつものように結界の中で魔法の練習を終えたアレンに、ジュダは街に買い物に出るように言った。思いがけない言いつけに、アレンはびっくりした。
「危険じゃないですか?街に行くなんて…」心配そうにアレンは聞いた。
「大丈夫だよ。」ジュダはにっこりとほほ笑みながら、アレンに荷物入れを手渡した。「大通りに行くわけじゃないんだし。それに、今日は寒いから、マントを着て行けばいい。そうすれば顔もわからないだろう?すぐに用事を済ませて帰ってくれば、なんにも危険はないさ。さ、行っておいで。もしかしたら今日は雪も降るかもしれないから。」
アレンはそう言われて、マントをかぶった姿を想像してみた。たしかに、頭までかぶってしまえば顔が割れることはないだろう。今日が寒い日でよかった、とアレンは思った。真昼にマントをすっぽりかぶって歩いているような人物は、たとえそうでないとわかっていても怪しいものだ。ジュダに買い物のメモを渡され、アレンは深い藍色のマント―ジュダのお下がり―をかぶると、ドアを開けた。外は、確かに、今にも雪がちらつきそうなツンとした寒さだった。