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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第二部・第一回】夢風鈴

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足音がしなかったのは裸足だったからだと思う
結んでいなく乱れた髪はきっと起きたばっかりだから
「緊那羅…」
言いたかった口にしたかった名前の相手
「誰だっちゃ」
裸足の緊那羅が歩み寄ってきて阿分を睨んだ
「…あいやー…」
緊那羅に睨まれた阿分が顔を見合わせるとため息をついた
「また自己紹介しねぇと駄目あるか」
「面倒くせぇあるな」
「こっちが阿でこっちが分」
文句を言った阿分にかわって京助が指を指しつつ2人を紹介する
「阿分…?」
「だとさ」
緊那羅が京助に聞き返した
「てか…京助…ほっぺ赤くなってないっちゃ?」
「あー…;」
「我らが叩いたからあるな」
「威張るな;」
京助に聞いた緊那羅に阿が胸を張って言う
「叩いた…って…」
「夢かわからないいったから叩いたあるよ」
「ちぃせえことで喚いたから気合いいれたあるよ」
ふんぞり返って言う阿分
「…本当だっちゃ?」
「あー…まぁ;」
京助が右頬を撫でながら答えた
「でもほら大丈夫だからさ」
頬は痛いがなんでかほっとしている
「早く…冷やさないと駄目だっちゃね…」
「大丈夫だっての;それよかお前裸足じゃん;」
京助が緊那羅の足元を見て言う
「あ…;」
「お前こそ足痛ぇんじゃねぇのか?」
「や…私は別に…それより京助の方が;」
「俺は大丈夫だってんだろ;…ほらよ」
京助が履いていたサンダルを脱いだ
「水虫はないから安心しろ」
「え…でも京助が…」
「いいから」
「私が裸足できたから私が裸足で戻るっちゃ」
「いいっていってんだろ」
「京助が履いてくれっちゃ」
「お前が履けって」
京助と緊那羅のいつ終わるのかわからないサンダルの譲り合いを黙って見ている阿分