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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第二部・第一回】夢風鈴

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うつ向いたまま動かない京助
その京助を下から見上げる見知らぬ誰か×2
「…どちら様…;」
4つの瞳が京助をじーっとみあげそして
「あいやー泣いてるあるよ こいつ泣いてるある」
「あいやー目から汁たれてるある」
「汁じゃねぇある涙ある」
「ちょっとしたお茶目あるわかれあるよ」
「あ あのー…;」
目下で繰り広げられている漫才の様な会話
「君たち…何;」
京助が申し訳なさそうに訪ねると2人が立ち上がり
「こいつは阿(あ)」
「こいつは分(ふん)」
「いや自分のことは自分で紹介してください;」
お互いを指さしてそれぞれ紹介しあった
「って…あの…それ…って」
立ち上がった2人についてるちょっとかわったものを京助が指差す
「あいやーおめー尻尾知らねぇあるか」
「あいやーおめー狐見たことねぇあるか」
「いやそうじゃなく;」
ヤレヤレと首を振る阿分についていたのは白と黒の尻尾が4本ずつ
そしてぴんっと上を向いた獣の耳
「我ら主探してるある」
「我らずっと主探してるある」
「…なんか…どっかで似たようなこと見たような聞いたような…;」
京助が阿分から顔をそらした
「…これは夢…なんか?」
「歯くいしばるよろし」
バチィーン!!!!
「いってぇぇッ!!!!;」
右頬を押さえた京助が叫んだ
その声に驚いた雀カラスが一斉に飛び上がる
「夢じゃねぇあるな」
「良かったあるな」
「よくねぇッ!!;」
爽やかな笑顔で言った阿分に京助が怒鳴った
バチィーン!!!!
「いってぇってんだろッ!!;やめんかッ!!;」
「男がんなちぃせぇことで大声だすなある」
今度は左頬を押さえて京助が再び怒鳴る
「京助!」
「なん…」
名前を呼ばれてそのままの勢いで返事をした京助が止まった