小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

【無幻真天楼 第二部・第一回】夢風鈴

INDEX|22ページ/23ページ|

次のページ前のページ
 

「…なんだか落ち着く光景」
並んだ京助と緊那羅の背中を見て中島がボソッと言うと南が頷いた
「私はあとからいくっちゃ」
「あー…んなら先に行くのは俺らと庭にいた奴ら…鳥類と乾闥婆はどうすんだべ」
「私が声かけてみるっちゃ」
「んなら頼むわ」
緊那羅が笑顔を残してまた駆けていく
「お前らもう夫婦れ」
坂田が京助の脇腹に手刀をぶちかました
「無駄にイチャイチャしやがって」
「なにがじゃッ!!;」
脇腹を押さえた京助が怒鳴る
「別にいつも通りだろ; イチャイチャしてねぇし」
玄関でサンダルを履くと戸を開けた
「遅いよ」
「はやくはやくー!!」
待っていた悠助たちが急かす
「よーし!!行くか」
坂田が駆け出してそれに南と京助、中島の順で続いた
チリンと風鈴が鳴る
静かになった家の中
仏壇に手を合わせる緊那羅が顔を上げた
「…操…」
綺麗に畳まれたタオルを手に取った
自分が知らない昔の自分
ただわかるのは【京助】が大切だという共通の想い
「緊ちゃーん?」
「あはーいっ」
母ハルミに呼ばれて緊那羅がタオルを仏壇に戻す
「…」
タオルから手を離した緊那羅がポケットから取り出したのは使い捨てのカメラ
レンズを真っ直ぐ見た緊那羅がシャッターのボタンを押した
「緊ちゃーん? いくわよー?」
「はーいっ」
カメラをポケットにしまった緊那羅が小走りで部屋から出ていく
チリンとまた風鈴が鳴った