「レイコの青春」 28~30
(続)アイラブ桐生・「レイコの青春」(29)
信じられない出来事(3)園長先生のノート
もともと胸に持病を持っていた園長先生が、再び入院をしました。
今回は県都の前橋市に有る有名な心臓専門の病院です。
お見舞いにやってきたレイコの顔を見るなり、園長先生が
細い目をさらに細めて喜んでいます。
「美千子さんは、あれからいかがお過ごしでしょうか。
それから、あなたのピアノの練習も見てやれず、
私は皆さんに、申しわけないほど気苦労ばかりを掛けつづけています。」
差し出された園長先生の細くなった指先を、レイコが両手で
温めるようにして包む込みます。
作品名:「レイコの青春」 28~30 作家名:落合順平