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鬼城 地球
鬼城 地球
novelistID. 15205
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Ambassador of chaos K  眠らされた剣

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「うおおー、すっげー! さすが京都! いい街並みだ!」
「誠一……俺たち観光しに京都に来たわけじゃ……」
「お、京都タワーだ! 登りに行こ!」
「だから、話を聞けっての!」

 京都へやってきたKとSである。前文の会話の通り、Sは観光気分満々で京都駅に着いた瞬間テンションが駄々上がりの状態である。

「よっぽど京都に来ることを楽しみにされていたようですね」
「お見苦しいところお見せして申し訳ないです……」
「いいえ、あまり京都へ来られない方がはしゃぐことはよくあることですよ」
「いや……あれは、はしゃぐっていうか……」
「おーい! 景史(けいし)ーなにやってんだよ! 早く行こうぜー!」
「……ガキすぎるだろ」

 駅で迎えてくれた右京を尻目にはしゃぐSにため息しかでないKである。

「今日は、まだこちらへ来てお時間がありませんし……どうぞ、ごゆっくりしてください」
「いや……仕事をしにこちらに来たはずなのに……」
「そんなに急がなくてもいいですよ、まだ時間はありますので」
「時間?」
「ええ、時間はあります」

 また意味あり気な言葉をいった右京にKは少し怪訝な顔をした。

「右京さん、失礼なことを言うようで申し訳ないですが……あなた、俺たちで遊んでいるんですか?」
「あなた方と遊ぶ? とんでもない、その逆ですよ真剣です」
「真剣……ね……」

 ふっと笑ったK……不敵に笑う右京が面白くないと思っていたが、心の内でこう思っていた。

「その笑顔が崩れる時が見てみたいぜ」と……

「私は先にあなた方の宿泊先、我が家へ戻っています。 場所はこちらですので、タクシーでも使っていらしてください」

 そう言った右京は、Kに住所の書かれた紙を渡し去っていった。

「あれ? 右京さんは?」
「お前のテンションの上がりように呆れて先に帰られたよ……さて、タワーだろ?」
「おう! 行こう、行こう!」

 そう言って、京都タワーのエレベーターに乗り込んだ二人……
が、しかし乗り合わせた客の中に一人知っている男がいた。

「「あ……」」
「ん?」

 別名『真実の光』・斉藤 祐樹だった