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昨日の恋明日の恋

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次の年の夏、僕と君は河原でバーベキューをしていた。太陽の光は容赦なく照りつけていた。しかし、木陰では涼しい風が吹いていて気分が爽快だった。ビールを飲んでいい気持ちになった僕は、レジャーシートの上で横になっている。この数少ない木の下の場所を確保できたのは、君が早起きをして僕を起こしてくれたからだ。

水の流れる音が眠りを誘い、僕はいつしか眠っていたのだろう。僕の体はなぜか焼きとうもろこしになっていて、バンジージャンプのように川に向かって落下していた。隣で同じように落下しているのは、やはり焼きとうもろこしの体になっている君だった。恐怖感などはなく、二人で川面に向かって落下して行く、快感を伴って。

川面に衝突するその瞬間、ビクンと体が反応した。君の声が聞こえて、そして焼きとうもろこしの匂いがした。
「ほら、とうもろこし焼けたよ」
夢を反芻しながら次第に覚醒してゆく頭、眩しい川面に目を細めながら君を見る。
「生から焼くのは難しそうだからね、家で一度茹でたやつを持ってきたんだ。醤油はすぐ焦げるから難しいね」
君は鉄板からの熱で顔を赤くしながら、僕の目の前に焼きとうもろこしを差し出した。

二人で並んで、アチアチッと言いながらそれを食べた。なんとはなしに見ている少し上流にかかる橋の上に、二人の姿が見えた。その若い二人の姿を見ていると、二人で食べ終えた焼きとうもろこしを川に落としたあの日を思い出した。

横を見るとやはり同じように橋の上の二人を見ている君は、思い出しているのだろうか。あの日のことを。

(了)

作品名:昨日の恋明日の恋 作家名:伊達梁川