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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼第十四回・参】*あいのうた*

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鉢の中に埋められた赤い宝珠がきらっと光った
「で…」
京助が迦楼羅と緊那羅を見る
「で?」
「…何にも起こらないっちゃ…」
宝珠を埋めたのはいいが何も変化の無い元ヒマ子だった向日葵
「もっと深く埋めないと駄目なのではないのか?」
「いや…;」
京助がどことなくなんとなくいや~な顔をしてあさっての方向を見る
「前は確か…京助 が」
「…; やっぱ…アレ?;」
「京助が?」
緊那羅と京助が顔を見合わせるとひとり蚊帳の外の迦楼羅が京助を見た
「…鳥類」
「なんだ?」
チョイチョイと手招きで京助が迦楼羅を呼ぶ
「ここに立って」
「うむ?」
迦楼羅が京助に言われたとおりに向日葵の前に立つ
「んで目ェ瞑って」
「うむ」
おとなしく目を瞑った迦楼羅
京助がニヤリと笑った
「きょ…;」
バフッ!!
「んぶっ!!!?;」
ハラハラと数枚の花びらが床に落ちた
迦楼羅の顔面には京助によって向日葵が押し当てられている
「京助…;」
一応止めようとしたらしい緊那羅が力なく手を引っ込めた
「なっ…; なにをするたわけッ!!!;」
顔に花びらをくっつけた迦楼羅が怒鳴る
「…どうだ…?」
怒鳴る迦楼羅の頭を押さえつけて京助と緊那羅が向日葵を見つめる
「はなさんかたわけッ!!;」
「るっせぇ!!! 一寸黙って…」
「京助!!」
ギャンギャン喚く迦楼羅に怒鳴った京助の服を緊那羅が引っ張った
「なにす…」
言いかけた京助の迦楼羅の頭にあった手から力が抜る
「京様」
いつもなら鬱陶しい声が何故か嬉しかった
「緊那羅様、それに鳥類様」
「迦楼羅だッ!!;」
「私…確か京様の…」
怒鳴る迦楼羅を無視するヒマ子に緊那羅が抱きついた
「ヒマ子さんッ…」
「緊那羅様!? まぁいかがいたしましたの?」
茎が折れない程度に緊那羅がヒマ子を抱きしめる
「なんだ…誰でもよかったんかい;」
そう言いつつ京助が笑う
「なんなのだ;」
わけがわからない迦楼羅がふてくされる
「おかえりなさい」
小さく緊那羅が言った