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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくんちはおばけやしき

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 ぼくが居間で宿題をはじめると、ママはちょっと安心したらしく、キッチンの片づけを始めた。気持ちを落ち着けようとしているのか、歌を歌っている。
 そのうち、チン・コン・カン……と音が聞こえてきた。それもママの歌にあわせるように。
「なんだろう」
と、立ち上がったそのとき、
「きゃー」
 ママが悲鳴をあげた。
 急いでキッチンにいくと、さいばしがグラスや食器をたたいるじゃないか。
「こんなことって」
 ぼくはびっくりしたのと同時に、胸のわくわくを押さえることができなかった。
 とりあえず、腰をぬかしたママをソファに座らせて、お水を飲ませたところで、パパがあわててやってきた。
「どうした。ママ。すごい悲鳴だったじゃないか」
「パ、パパ。わたし、だめだわ。この家、本当のお化け屋敷よ」
 それで、ぼくはたった今目の前で起こった出来事をパパに話した。
「なるほど。しかし、この家はママのために買ったんだ。そんなお化けに負けたくないな」
 パパがぼくと同じ気持ちなのがうれしくて、ぼくはパパに言った。
「そうだよね。パパ。ぼくはお化けの正体をさぐってみるよ」
「さぐるって、ゆうた、どうやって?」
「この家のことをよく知っている子たちと友だちになったんだ。ぼくにまかせて」
 ぼくは力こぶをつくってみせた。
 ママはたえられそうにないと言うので、しばらくの間実家に行くことにした。まさかお化けが怖いからなんていう理由はいえないので、シックハウス症候群の療養ということにして。