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　ママが実家に行った次の日のこと。朝起きてキッチンに行ったら朝食がちゃんと二人分できていた。洗たくも終わっていて干すばっかりにかごに入っていたんだ。
「パパ。ご飯できてるよ」
　ぼくはパパを起こしにいった。いつもしめ切り間ぎわは昼夜逆転の生活をしているんだけど、このさいかまっていられない。
「かんべんしてくれよ。昼まで寝てるって言ったろう」
「いいから、起きてよ」
　寝ぼけまなこのパパをベッドから引きずり出して、キッチンにつれていった。
「すごいな。ゆうたが作ったのか？」
　テーブルに並んだ料理を見て、パパは目を丸くした。
「まさか。起きたらできてたんだ」
　ふたりともしばらく沈黙したけど、パパが口を開いた。
「せっかくだから食べるか」
「うん」
「せーの。いただきます」
　おっかなびっくり食べてみたら、おどろくほどおいしかった。
「おいしい！　ママの味だ」
「うんうん。こりゃいける」
　冷蔵庫の中には、お昼用のサンドイッチやおやつのチーズケーキも入っている。
「ねえ、パパ。この家のお化けって友好的だよね」
「ああ、そうだな。少なくとも住人を追い出したい訳じゃなさそうだ」