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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくんちはおばけやしき

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 それから数日間は何事もなくすぎた。
「追い出してやるなんて言ったから、おとなしくなったのかな?」
 ちょっと拍子抜けしたところ、ある朝、起きたら脱ぎ散らかした服がまくら元にきちんとたたんであった。
「うーん。どうも悪意はなさそうだな。きれい好きのお化けみたいだ」
 ぼくはわざとゴミ箱をひっくりかえして、部屋から出ていった。階下へいくと、ママが洗面所で首をひねっている。
「洗たく機がひとりでに回ってたのよ。この前のことといい、気味が悪いわ」
「ママ、ものは考えようだよ。そりゃ不思議なことだけど、悪いことが起きているわけじゃない。便利な家だと思えばいいじゃん」
 ぼくはママをはげますつもりで明るく言った。
「そうねえ。でも……」
 ママは両腕をさすって身ぶるいした。
 パパはしめ切りが近いので夜遅くまで仕事をしている。お昼まで起きてこないから、ママと二人で朝食を食べた。
「ねえ、ゆうた。パパは忙しいから、今日はゆうた居間にいてくれない? ママのそばからはなれないで」
「いいけど。どうして?」
「だって、気味が悪いんだもの。この家」
 ママは深刻な顔をしている。ぼくはママの言うとおり、居間ですごすために、宿題とかゲームとかマンガをとりに部屋にもどった。
 すると、わざとちらかしたゴミはちゃんと片づいていた。