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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくんちはおばけやしき

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 次にまさとくんが話し始めた。
「ぼくが実際に体験したんだけど……。
 一年生の春休みに、この家に引っ越してきた女の子と仲良くなったんだ。引っ越してきたその日に友だちになって、片づけも手伝ったりしてね。
 その子のお父さんやお母さんもやさしくて、『学校も同じだから仲良くしてね』って言われたんだ。
 ぼくはほとんど毎日この家に遊びに来ていて、いよいよ新学期が始まった日、その子が転校してくるのを楽しみにしていたんだ。
 ところがその子は来なかった。どうしたのかと思って家にきてみたら、玄関には鍵がかかっていて、呼んでも誰も出てこない。
 ポーチにすわりこんでいたら、通りかかった人が、この家の家族は、身の回りのものだけを車に詰め込んで、朝早く出ていったと教えてくれたんだ。
 がっかりして帰ろうとしたとき、植え込みに紙切れが落ちているのに気がついた。ひろってみたら、『おばけやしき』って書いてあった。たぶん、女の子が急いで書いたんだと思う。
 この家にいた何日かの間に、どんなことがあったのかはわからないけど、家具もなにもかもそのままにしてでていくなんて、よっぽどのことがあったにちがいないんだ」
と、まさとくんはしめくくった。そして、
「だから、この家にだれかがひっこして来たってきいたんで、気になったから見に来たんだ」
と、ふたりは言った。