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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくんちはおばけやしき

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 次の朝、キッチンにいくと、ママが食器だなの前で首をかしげていた。
「おはよう。ママ。どうしたの?」
「ああ、ゆうた。おはよう。それがね、昨日ここにおいたままだったはずの食器がきれいに片づいてるの。それもママが入れようと思った場所に」
「ええ?」
と、いちおうおどろいてみせたけど、夕べのぼくの体験を知ったらママはひっくりかえっちゃうよね。
 ──不思議なことがあるもんだ──
 いくら考えたってしかたがないので、このときはそれですませてママは朝食の準備にとりかかった。
「いやあ、不思議なことがあるもんだなあ」
 あくびまじりにつぶやきながらパパが二階からおりてきた。
「おはようパパ。パパの部屋にも不思議なことが起こったの?」
「ん? なんだ? おまえたちの部屋もか?」
「ぼくの部屋は別に……」
 夕べのできごとはまだ話さないでおくことにした。
「そうか。パパの部屋は朝起きたら、ちらかった本がちゃんとかたづいてた」
「そうなのよ。パパ。キッチンも食器がかたづいていたの」
 スープの味をみながらママが言った。
(やっぱり本当なのかな? あの紙切れに書いてあったこと……)
 たぶん同じことを思ったんだろう。三人とも同時に顔を見合わせると、苦笑いした。