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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくんちはおばけやしき

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 いよいよ作業をする日になった。学校が休みの土曜日にしてもらった。たかしくんもまさとくんも宇宙人にあいたいからね。
 作業はとてもうまくいった。むずかしいっていってた家をうかせる作業も、大がかりにならずにすんだ。
 なぜなら、宇宙人に協力してもらったからね。ぼくは家が浮いたように見えたっていう話を思い出して、宇宙人に聞いてみたんだ。その答えが「少しの間ならできる」っていうことだったんだ。
 でてきた宇宙船は直径が五十センチもない小さいものだった。土を払って窓から中をみると、小さい人がいた。
 居間に入って、テーブルに宇宙船をおくと、扉が開いて宇宙人がでてきた。
 銀色の服を着たかわいらしい女の子だった。これにはびっくりだ。だって、何十年も前に地球にやってきていたっていうのに。
「タスケテクダサッテ アリガトウ ゴザイマシタ」
 たどたどしい日本語でお礼を言った。それはとても小さな声で、とても地下深くからは届かないと思った。
 宇宙人の話を要約すると、
 彼女が地球にやってきたのは、宇宙船の故障によるものだった。そのとき睡眠カプセルで眠ったままの彼女は、宇宙船が不時着したのも気づかなかった。小さな宇宙船は草むらに埋もれていたのでだれにも気づかれずにすんだんだ。
 そして何年もそのままでいるうちに、大雨が降って土砂崩れが起きて、宇宙船は埋もれてしまった。彼女が気づいたときは、その上に家が建ってしまっていて、どうしようもなかった。
「ダカラ デキルカギリノチカラデ ワカッテモラオウトシタノデス」
 彼女は通信機を修理して星と連絡を取ると、地球時間で十年後に迎えが来るという返事をもらった。だからこの十年の間なんとかして外にでようと努力していたんだ。
 それがあと一ヶ月後にせまっているという。
「よかったね。ぎりぎりで間に合って」
「ハイ ホントウニ タスカリマシタ」 
「それにしても、ずいぶん若いんだね」
 パパったら、おじさんまるだしの質問なんかして。
「ワタシタチノホシハ チキュウヨリモ ジカンガユックリナノデス」

 それから、一ヶ月間、宇宙人はぼくんちで暮らした。ママも帰ってきて、このかわいらしいお客さんを歓迎したんだ。
 そうそう、彼女の名前はエリーっていうんだ。
 エリーが星に帰る日、たかしくんもまさとくんも見送りにきた。
「また地球にくることがあったら、ぼくんちに遊びに来てね」
「エエ タブン ソノトキ ユウタクンハ オジイチャンニ ナッテルワヨ」
「ええ? いやだなあ」