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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくんちはおばけやしき

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 それから急に電気が消えて部屋が暗くなった。すると、壁にスライドのように何かが映った。
「なにかの見取り図みたいだな」
 たかしくんが顔を近づけた。
 その絵(?)は家の断面図のようだ。真ん中の下の方に丸いものが書いてある。
「この家の断面図だとすると、地下の深いところになにかがあるってことか」
 まさとくんが丸く書かれたものを指さした。
「じゃあ、この丸いものがお化けの正体ってこと?」
 ぼくが聞くと、まさとくんは、
「いや、お化けを発生させるっていったほうがいいかも」
という。
「発生させる?」
「うん。この図から見ると、この丸いものは埋もれていて外に出られない。だから気づいてほしくて、こんな現象をおこしているんじゃないかと思うんだ」
「なるほど。そう考えるとお化け現象もなっとくできるな」
 たかしくんが感心している。
「たしかに。じゃあ、この丸いものはいったいなんだろう」
「うーん」
 ぼくたちの考えは、そこで行きづまってしまった。
「でもさ。ぼくらがこうして呼びかけて反応があったってことは、ぼくらの言葉は理解できるってことだよね」
 ぼくは気を取り直して言った。ふたりもたしかにそうだとうなずいた。
「ねえ、君。ぼくが今から質問することに答えてくれる? 電気をつけて、あっていたら電気を点めつさせて、ちがったら電気を消して」
 すると電気がついた。了解したってことのようだ。
「君はお化けなの? それとも妖怪とか」
 電気が消えた。
「お化けや妖怪でもないとすると……」
 まさかと思いながら、思いついたことをぼくは聞いてみた。
「もしかして……宇宙人とか?」
 電気がぱっとついて点めつした。
「宇宙人? これは意外だな」
と、二人が叫んだ。
「じゃあ、図に書いてあるのは宇宙船なの?」
 電気が点めつした。
「君は何十年もその中にいたんだ」
 また点めつした。
「ずっと出たくて家に住んだ人に合図していたんだね」
 ちかちかっと電気が点めつした。
「なんだか、かわいそうだね」
 まさとくんがぽつりと言った。
「うん。そうだな」
 たかしくんもうなずいた。
 すると、また電気がすっと消えて、壁に文字がうかんできた。
 デモ コドモタチトハ ナカヨクナレテ タノシカッタ
オトナタチハ オバケダッテ イッテ イヤガッタケド
 ところどころ、文字が左右逆だったり、逆さまだったりしたけど、いいたいことはこんな感じなようだ。
「よし、パパが帰ってきたらこのことを話して、きみが出られるようにしてあげる」
 壁に「アリガトウ」の文字が浮かんだ。