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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくんちはおばけやしき

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 夏休みも半分を過ぎたころ、パパが出かけることになった。次の作品の取材旅行だ。
「ママがいないから、早めに帰ってくるよ」
「うん。だいじょうぶだよ。ちゃんと留守番できるから」
 留守中はたかしくんとまさとくんが泊まりに来ることになった。それにふたりのお母さんが様子を見に来てくれるというので、パパは安心して出かけていった。
「パパが帰ってくるまでに、お化けの正体をあばこう」
「うん。そうだね」
 ぼくらはスクラムを組んだ。
 夜になって、ぼくたちは家のあちこちでお化けに呼びかけることにした。
 前にぼくの部屋で呼んだときは反応がなかったけど、まずぼくの部屋から声をかけた。 すると、ベッドがゆれたので、ぼくは言った。
「ふたりとも、ベッドにのって」
 ふたりはいっしゅん目を丸くしたけど、ぱっとベッドに飛び乗った。
 最初の日のように、ベッドはベランダのとびらから外に出た。
「うわー。すごい」
 ふたりとも大喜びだ。
「いやっほー」
 そして、家の上を一回りすると、部屋にもどった。
「ああ、おもしろかった。こんなお化けなら、おれ、大歓迎なんだけどな」
 たかしくんもまさとくんもうれしそうに言った。
 だけど、ぼくの部屋ではそれだけで、終わってしまった。
 しかたなく、リビングにおりて、三人で口々に声をかけた。
「おーい。聞こえるか?」
「どこにいるの?」
「聞こえているなら、何か合図をして」
 すると、テーブルの上に置いたままだった夕食の食器やグラスがかたかたと動き出した。
「おい、見ろよ」
 ぼくたちは目を見張った。リズミカルに動く食器やグラスはまるで楽しそうにダンスをしているみたいだ。
「そういえば、昔の外国のホラー映画にこんなシーンがあったよ」
 まさとくんが言った。
「ねえ、どうしたら君と話ができるの? こんなことばかりくり返していたって、君がなにをいいたいのかわからないよ」
 ぼくがそういうと、食器のダンスはぴたっととまった。