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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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ぼくんちはおばけやしき

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 いそがしいパパの仕事のじゃまにならないように、ぼくはこの家について調べることを進めた。
 その日もたかしくんとまさとくんという二人の協力者がお昼過ぎにやってきたので、木陰のテーブルで話し合った。
「この家が建ったのは二十年くらい前で、最初に建てた人は十年近く住んでいたけど、外国に行くので、ここを売ってひっこしたんだって。そのあと住んだ人からだな。ほとんど半年以内にひっこしてて、今まで何家族が住んだか数え切れないって」
 たかしくんがお母さんから聞いてきたといって話してくれた。
 この土地や家で、殺人事件があったなんていう話は聞かないし、昔からいわれのある場所──たとえば刑場だったとか──でもないと言う。
「じゃあ、怨念とか悪霊とかっていうのとは関係ないんだね」
 ぼくはちょっと安心した。だってそんなものだったら、逆にのろわれちゃうもんね。
 それにこの数日間にあったことといったら、ぼくたちにとっていいことばかりだったし。
 この家が建った時のことや、土地のことがわかったけど、そこで行きづまってしまった。
 だって、霊(れい)に関係があるなら、おはらいしてもらうっていう手があるけど、原因が分からないんだもん。
「うーん。なんとかこの家とコンタクトとれればいいんだけどね」
 まさとくんが言った。
「コンタクト?」
「うん。話を聞くと、家の方で君たちとコミュニケーションをとりたいみたいじゃないか」
 たかしくんもうなずいた。
「そうだよな。お母さんが歌を歌ったとき、菜ばしがグラスをたたいて調子をあわせたんだろ」
 そういわれてみればそうだ。
「うん。そうだね。試しに今夜家に話しかけてみるよ」

 でも、いったいどうしたらいいんだろう。とりあえず、ぼくの部屋で話しかけてみた。
「ねえ。聞こえたら返事をして。この家にいる君はだれ?」
 いつまでたっても返事はなかった。