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海野ごはん
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ギャンブラー物語

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午後1時に到着して、3時からぶっ通しで午前3時まで12時間、
二人は3件のカジノを廻り、モモは10万円の勝ち。
優作はなんと倍にして帰ってきた。
「あ~~ぶっ倒れそうだ。さすが本場は違う。ピリピリきやがる」
「すご~~い。10万円も勝ったよ。優作も凄いじゃん100万だよ」
モモは興奮して大はしゃぎだ。その陽気さがあれば明日も勝てるだろう。
優作はベッドに倒れるようにして眠った。よっぽど気を使ったのだろう。
「あら、もう寝たの?酒は?」
「・・・」
優作は目をつぶっていた。
モモは昼間の免税店のスコッチをグラスに移して飲むとシャワーに入るため
裸になった。そして、シャワー室に入った。
優作はその様子を薄目を開けて覗いていた。
いい体してんじゃん・・・。

モモがシャワーから出てくると、今度は優作は完全に眠っていた。バスタオルを巻いたモモは優作の顔を見て髭が伸びてるのに気づいた。西部劇に出てくる荒くれ者の顔だ。そっとその髭を触るとモモは隣のベッドで眠った。

翌日は12時から戦闘開始だった。
モモは15万円から、優作は200万円から。
負けることは考えずカジノに入っていった。
賭けるレートを上げる分だけ、今日はきつくなることは優作はわかっていた。
しかし勝負だ。
モモはルーレットにはまった。新しい店なので、また昨日の作戦が使える。
あと目標の10万円なんとかがんばろう・・モモは昨日より意気込みが違ってた。
そして勝負運はそういう時に限ってよろしくない。あっという間に5万円負けた。
優作も苦戦していた。なかなか波に乗れない。ジリ貧状態だ。
エースは来るのだが後が続かない。
モモは優作を見つけると傍に来た。
「どうなの調子は?」
「よくない。おまえは?」
「すぐやられちゃった」
二人はディーラーが配るカードを見ながら「今日は負けるのか」と弱気が顔を出した。
優作は何かを吹っ切るかのように、モモに突然
「モモ、おまえの陰毛くれないか?」と言った。
「はっ?」聞き間違いでなかったら、この人とんでもないこと言ってる。
「下の毛だよ。あるだろ。昨日見たんだ」
モモは昨晩、シャワーに入る時を思い出した。見てたんだ・・・

「この、どスケベ。ちゃんと勝負に集中しなさいよ」モモは顔が赤くなった。
「今、いるんだ。今が重要な時なんだ。1本でいいから」
「なんで、いるのよ?」
「競馬やってる連中は、みんなかみさんの毛を大事にしてるんだ。勝負に勝つためのゲン担ぎさ」
「私、あんたのかみさんじゃないし、ここで抜くのは恥ずかしい」
「今いるんだ。俺にはわかるんだ。ここで負けるとずるずる負けちまう。すぐに出してくれ」
「はぁ~、今、ここで出してくれ?」
それで勝負に勝てるなら抜いてあげてもいいけど、今、ここでぇ~・・・?
モモは優作の背中の方に回ると、もぞもぞと下着の中に手を入れた。プチッ・・
こんなんで勝てるなら、何本でもあげるよ。だけど、恥ずかしい・・・
モモは抜いた自分の陰毛を確かめると、優作の目の前に出した。
ディーラーはこっちを見てる。
「おっ、ホントに抜いたんか。しないかと思ってた」優作は急に笑い出した。
「あんたが言ったんじゃないの」
「そうか、そうか・・くくっ・・これがモモの陰毛か・・」優作は大きく笑うのを堪えて我慢した。
そしてモモの指先にある少しカールした毛をすばやく取ると、自分のテーブルの目の前に置いた。
「あっ、そんなとこに・・見られちゃう」モモは思いっきり恥ずかしかった。
隣の中国人の男が何か優作に英語で話しかけてる。
優作もそれに対して英語で何か答えてる。
中国人の男が笑いながらモモに親指を立てた。
何それ?私の話?もしかして私の毛の話?
それから中国人の男はディーラーに笑いながら早口でしゃべっている。
ディーラーは少し口元を緩ませるとモモの顔を見た。そして、微笑む。
やっぱり私のことだ。絶対その陰毛の話だ・・・
「優作、あんた喋ったの?言ったんでしょ・・」
「ああ、みんないい女房だなって言ってくれてる」優作は笑いながら言った。
テーブルの全員がモモを見て親指を立てた。「グッジョブ」
モモは赤面した。何がグッジョブよ・・
恥ずかしくてモモはその場を逃げるように離れた。



作品名:ギャンブラー物語 作家名:海野ごはん