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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)

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            ※※※


 二〇一三年三月三一日。

 左から山の後ろに沈んでいく夕日に照らされながら、漆黒の刺々しいストレートパーマの長郷未知流(ながさとみちる)は、素手に活動を終えて鍵を閉めた活動拠点――演劇部も使っているプレハブ小屋を見つめていた。

 岩国総合高校指定の紺色ブレザーと、膝丈まで上げたグレーのタータンチェックの学生スカート。襟元には垂れ下げた緑のリボン。学校の校章の入った靴下に革靴。右肩には愛用のエレキギターが入ったギターケースを、背負い、左手には二つの手提げ鞄を持っている。どことなく、その姿に哀愁を感じる。

 もうすぐ一年半が経過するのか、と思えば、今差し込んでくる光の速さみたいに月日が今日まで巡って来たものだとつくづく感じる。

 彼女と二人で……いや、色々な人の協力で創部した軽音楽同好会。そして、今年の四月から一年生二人を加えて結成したバンド――moment’s(モーメンツ)。

 これが生まれなかったらきっと、全てがうまくいかなかったと思う。ずっと昼休みのリサイタルばかりやっていたに違いない。昼休みの活動以外にも、色々なクラブハウスに出向いて、実力を伸ばし、コピーだけでなく、自分たちのオリジナル曲を精力的に作ることもなかったであろう。