Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
「あーっ、もうっ!!」
部屋中に声が響く。周りの家にも聞こえたかもしれない。申し訳ない。
ほんっと、自分らしくないのだから、思わず大声が出てしまう。
この程度で、何故不安になるんだ。バカバカしい!
夜だから、こんなネガティブに考えてしまうんだ。忘れよ、忘れよう!
ふぅ~、これを学校で見られたら、
「みっちぃって、意外と可愛いところがあるんだねぇ~」
グフフフ、と弱点を握ったような笑みでアイツにイジられるのがオチだ。
クールでしっかり者のキャラでいるのだ。あたしのプライドが許さない。
「寝よ、寝よ!」
あたしは、緑の枕に頭を乗せ、布団を首元までかけて寝る。寝る努力をした。
だが、不安で蝕まれた己の身体はあたしの言うことを無視して、震え続けた。
側にある、デジタル時計が鳴る午前七時まで、ずっと……。
不安が、頭から離れない。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ