Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
今日は、確か二〇一三年三月三十日。
明後日で、一応、進級するんだよな。学校年度上では。高校三年生に……。
だとしたら、この夢はあながち間違いでは……ない?
三年生になるということ。それは、高校生活最後の年であり、卒業し、旅立つことを意味する。そして、彼女たちとも離れる。
ゾクッ。
そういうことになる。
急に現実でも不安が身体中に襲ってくる。体温が下がっていく。
卒業した後の先まで考えたこともなかった。あたしがここで手に入れたものはどうなる? また、一から始まるのか? 昔のように恐れられるのか? 彼女との絆は、どうなる?
もう後ろへと戻りたくないんだ。だから、彼女とは共にいたい。友人として。
想いが重くなるくらい『離れたくない』と思うのは、自分勝手なのか。いつかは離れる。そのくらい、分かっているのに。
『あの頃』があるからこそ、輝いている今の自分を大事にしたいのだ。
だから、失いたくない。
でも、別れるのは必然的で……。
……。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ