Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
「ぐわあああ~」
悲鳴をあげながら、使い魔は消えていく。同時に、未知流を縛っていた黒い紐も……。
「……」
未知流はずっと佇んだままこの世界を見ていた。こんな輝きに満ちた場所で、自分も生きていきたい。ずっと望んでいた楽園。
この世界は、一体何なのだ? そう疑問に感じた瞬間、
「!」
キラキラと輝いた美しい女性のシルエットが現れる。聖母みたいなその姿はまるで天使。
いきなりのご登場というか、顔が、表情が見えないことに、慄いてしまう。
「あ、あなたは……」
思わず、普段使う『アンタ』よりも丁寧な言葉を発してしまう。
「未知流……」
「へ?」
女性は未知流の頬に手を当てる。
「大丈夫よ。歩んだ先に、貴方は、あなただけの宝物を手に入れるわ。だから、それまでは大変だろうけど、諦めないでね。貴方の隣に大切な人がいるのだから」
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ