Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
あのまま手を取れば良かったんだろうか。アイツの小さな右手を。でも、怖いのだ。自分のおかげで、罪もないあいつも『的』になってしまうことが。
他人まで巻き込みたくはないのだ。友達になる権利は誰にでもあるが、そんなものは自分にはない。恐らくこの先も。
――うん、それがあたしにとっての人生だ。
しかしこいつらとは違う。
藤生駅舎前側の階段に座り込んでタムロしている5人のヤンキー共とは。みんな、角刈りやパンチパーマで、悪趣味な豹柄のものや、サーフ系、サーファー系のTシャツと白や青のスウェットパンツという奇抜なスタイル。そして、コイツがおそらくボスなのだろう、後ろに犬のマークがある、確かガルフィーっていうブランドの黒ジャケットとジャージだったはず――と父親が読んでいる第七部まで続いて今も連載中の奇妙な冒険漫画第四部だったか? の主人公以上、というかアリクイの鼻みたいな長いリーゼント。髪先が垂れ下がっており、コイツだけ金髪。
――こんな奴らと一緒にすんな! と同世代にツッコミたい。他人の偏見がバカバカしく思う。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ