Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
どうなんだよ、ネオ!
心の叫びはもちろん届かず、ネオは背を向いて去っていく。
「待ってよ!」
あたしたちが過ごした時間はすべてウソだったのか!? あたしとの絆は永遠じゃなかったのか!? あたしが何をしたっていうんだ! 絆を壊すような行為をしたの!? いつものようにハッキリと物を言いなさいよ! アンタらしくないよ! ねぇ、答えてよ、ネオ――――――っ!! と、あたしは他の者たちのように見失うことのないよう、叫びながら彼女を追いかけた。ぴちゃぴちゃと「無」の空間であるにも関わらず、白い波門が現れる。まるでどこぞの漫画でよく見る世界だ。
あたしはネオに追いつき、彼女の右肩を掴もうとする。
しかし、スカッと空振り、あたしはバランスを崩し、そのまま両手をつき地面(なのか?)に這いつくばる。彼女も投影されたものなのか? 少しずつ、あたしの前から遠のいていき、足からスーッと消えていく。
「待って!」
あたしの視界から消えないように、立ち上がろうとするが……。
「!」
突然、あたしの周囲に、バチバチと黒い波が周り始める。思うように立ち上がることはできず、束縛される。そして、底なし沼のように、ズブブブと闇に呑みこまれていく。足元から少しずつ。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ