Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
田舎にはつきものの田園風景を見ながら、歩道橋から真っ直ぐ進む。岩国駅前とは違い、すごいのどかで、切り離された感じがする。そして、それは自分もなのかもしれないと、未知流は思った。友達とともに歩く学生の背中を見ていると特に。
いやいや、あたしはそういう選択をしたんだ。何を考えているんだ!
揺るがない決心をしているんだと、首を左右に強く振って、学生たちの後を追う。こん中に一年生はいるのだろうか。同じ制服を着ているもんだから、判断しにくいというか、友達のいない自分にはさっぱり分からない。
――いや、あたしには関係ないことだ。
そう割り切って進むこと数分、
「ながっ……」
未知流は一瞬、上体を反らしてしまう。
『岩国総合高校』の道路案内標識が指しているのは、校舎まで続いている傾斜のある長い坂。受験のときは、親に車を乗せてもらって軽々と駆け上がったが、歩くのは初めてだ。市内でも都市部に当たる所にある、小、中学校に通っていた未知流にとっては、縁のなかった障害だ。『試練』と呼ぶべきものが待っているようだ。そしてこれもそのひとつ。総合生としての資質があるか的な。
そう考えると、
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ