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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)

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 だから、ここを選んだのだ。『自分でやりたい科目を選択できる』という総合高校ならではのシステムに惹かれて。これなら、『青春時代』を過ごせない自分でも、少しは楽しむことができるから。授業という名の『楽しみ』を。進学校である岩国高校のように毎日勉強、勉強と五月蠅く言われるよりかはまだマシなのだ。勉強漬けで、自分の時間まで奪われたくはない。

 そして誰にも怒らず、迷惑をかけず、無口を貫き、事件があっても赤の他人として見つめ、何事もなく、平和に!

 そう心の中で誓っている内に、岩国駅へと辿りついた。

 瓦屋の駅舎で、広島の境目にある山口県の都市の割には、田舎丸出しだ。例え、合併しても、山に囲まれている都市に変わりはない。だいたい都市の名前が入っている駅につきものである大きなデパートも近くにはなく(ちょっと歩かなくてはならない)、さびれた感が漂う。

 駅を改築する計画は、市役所で進んでいるらしいのだが、何年先になるのかは皆無だ。岩国空港が来年にできるというのに、整備をきちんとしてほしいものだ。

 未知流は駅舎の中へと入り、切符を買い、田舎ではなく「都市!」と思える装置――自動改札機に入れて通過する。

「ええと、下りは七番乗り場だったね」

 もう一つの「都市!」と呼ばれる産物、電光掲示板で確認して、いかにも昭和の建物と言っても過言ではない、木でできた屋根のご線橋を渡り、一番奥にある六、七番のプラットフォームを目指す。