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永山あゆむ
永山あゆむ
novelistID. 33809
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Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)

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 ため息が止まらない。例え、国道を挟む横断歩道を渡っている最中であっても。歩車分離式なので、車にぶつかる心配はない。

 人よりも黒い漆黒のストレートパーマ。腰まで届くくらいの長髪で、髪先も鋭い。これでも地毛だ。決して、V系バンドに憧れて染めたのではない。そして、目もややつり目で、怒りっぽくも見える。

 そして、人よりも似合いすぎる制服。セーラー服のときはヤクザにだったが、この服はまさに『お嬢様』。どんな服でも、偉そうに見えてしまう。

 そんなコンプレックスの塊となっている自分の形相が嫌いであった。これで嫌な目に遭ったのが多々あったから。

 小学のときには、着ていた私服が『お嬢様』のように美麗だったのか、年上に見られて馬鹿にされ、中学のときには、セーラー服とつり目のおかげで『ヤンキー』っぽく見えたのか、クラスメイトに普通に喋っても恐れられられ、誰から聞いたのか、「あいつんちの親父、空手の師範代らしいぜ」と父親の噂を耳にして、「やばっ! マジでやられんじゃん!」と納得され、噂は広まり、学生たちが近寄ることはなかった。とにもかくにも散々な九年間を過ごした。

 だから今回は、

「絶対に、関わるもんか!」

 そう呟きながら、未知流は歩道をまっすぐ歩いて行き駅へと目指す。直線だからなのか、それとも己の憂鬱感のせいなのか、あまりにも目的地が遠くに見えてしまう。