Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
第二章-あたしと彼女の初動衝撃(ファーストインパクト)-(1)
朝、七時四十分。
「……いってきまーす……」
あとから車で来る親に憂鬱な声をあげ、未知流は岩国総合高校指定の買ったばかりの革靴を履いて、がチャと玄関のドアを開け外へと出た。
ナイーブな自分とは裏腹に空は快晴、目の前にある公園にある桜も満開だ。もちろん雨が降ることもゼロだとはっきりと分かる。
「また……始まるのかぁ~」
ため息を漏らしながら、『学校が嫌いなんだな、こいつ』と、道行く人に分かるように、猫背にして顔を下に向けて、交差点を挟んで一直線上にある岩国駅へと目指した。右肩にかけて持っている校章のついた鞄が、重たい身体にさらにのしかかる。体型は華奢なのだが、そう感じるのだ。これも自分の心の表れなのか。
真新しい高校の服は、中学校で来ていた地味なセーラー服とはまったく違う。むしろ、岩国市内にある私立高、高水高校以上に派手な服に見える。
「ほんっと、お嬢様みたい……」
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ