Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
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「未知流――っ! 起きなさ――い!」
ドアの奥から母さんの声が聞こえてくる。
朝か。
とうとうこの日がやってきてしまった。
また、あの日々を過ごすのか。小、中、計九年間と過ごした、嫌われてばかりの日々が。
ベッドから重たい身体を起こして、奥にある薄い黄色のカーテンを開ける。
ピカーッ!!
日差しが眩しくてたまらない。自分の心とは正反対。ほんとにムカつく。嫌になる。毎日、台風が来て休校になればいいのに。まあ、しょうがない。世の中はそういう風にできている。嫌なことばかりで溢れているのだ。割り切るしかない。
そう、この日だって。
「ふぅ。とうとう、これを着るときがきた、か。いかにも『お嬢様』って思われそう。そうじゃないのに……」
部屋の中心にある小さなローテーブルをまたいで、扉の右隣にあるクローゼットから真新しい制服――紺のブレザー、タータンチェックの灰色のスカート、長袖カッターシャツ、そして右側(またはベッドの左側)にあるタンスから校章のついた靴下を取り出し、着替える。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ