Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
「うん。思いもしなかったわ。信じられる? この絵ってね、実は武藤と協力して作ったらしいのよ」
「マ、マジ!?」
未知流は思わず身を反らす。
「マジよマジ! 下書きはできても、配色に悩んでいて……そのときに武藤と相談して、カラーリングを決めたんだって。実緒のくせに、ね」
「そ、そうなんだ」
すごい、と未知流は思う。そして、強いと。傷つけられた相手と話すことは、勇気と度胸が必要だから。
こんなこと、あたしには絶対にできない。
実緒はまさに慈愛に満ちた天使のようだ。それはもう、聖母マリア様と同等のレベル。
あのおとなしい清楚な彼女がこんなに変わるなんて……人は何かのきっかけで、変っていくのだろうなと思う。それを自分たちが手伝ったことに、誇らしくも思った。
それは、自慢げに話すネオも同じ気持ちのはずだ。
「みんな、それぞれ『夢』に向かって、少しずつ成長している。わたしたちも負けないように頑張らないと! ね、みっちぃ! 前に突き進むもう! 今度はわたしたちの番だよ!」
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ