Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
「何!?」
苛立ち気味にネオは訊きかえす。
「実緒は、どうだったの?」
顔を近づけるネオから視線を空に変えて、訊ねてみる。
あれから、どうなったのか気になるから。昼休みはよく会っているけど、部活内での彼女はあまり知らないので。
「……ああ、うん、元気にやっているよ」
ネオはノーマルモードに戻り、未知流から一歩分、距離を離す。
「まあ、これを作るくらいならそうだけど……、」
未知流は一瞬、左にある立て看板を見やる。
でも、あたしが訊きたいのはそうではなく、
「アイツとはどうなのよ。金髪から黒髪に染め直し、暴れることはなくなったけど……」
実緒の天敵であった、武藤(むとう)についてだ。総合祭が終わって一か月後、生活指導の先生にきっちり指導を受けてから、復帰したのだが。
「うん、仲良くやっているみたいだよ。みおっちも言いたいことは、はっきり言えるように努力しているみたいだし、他の部員たちとも仲良くやって、きちんと部をまとめているからね」
「そうか。……なら、良かったよ。実緒が武藤と『友達になる!』って言ったときは驚いたもんだよ。あんな凶暴な顔をしたヤツだったから。あそこまで矯正させるなんて、たいしたものだよ」
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ