Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1)
風船のように口を膨らませて、ネオは「ム~っ!」と未知流を見つめる。その姿はまるで子供だ。
「で、でも、ベスト8って、十分いい結果じゃない。そ・れ・に、あんたのその口ぶり、本当は付き合いたいんじゃないの~? なんと言っても、中学のとき、好きだったんじゃあ……」
「認めないものは、認めないの! それに、わたしは、歌手になるという夢に向かって生きているから、そんな暇はないの! 忙しいの! でしょ!?」
自分の顔へ迫ってくるネオに、未知流は思わず苦笑い。
まったく、素直じゃないんだから。まあ、自分も友達にイジられたら、今のネオのように恐らく全力で否定し、しまいには、中学まで磨いていた空手で、黙らせるに違いない。本当に素直になるのは難しい。
なので、これ以上問い詰めるのも野暮だ。何を言っても反論してしまうだろう。
というわけで、ツンツンネオを元に戻すために、
「はいはい、ところでさ、」
未知流はガラッと話題を変えてみる。真面目な話題に。
作品名:Sunlight-あたしと彼女の小生意気奮闘記-(1) 作家名:永山あゆむ