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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回・弐】ひまわり

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「沙羅…」
「え? 沙羅…ってたしか鳥類…」
竜が口にした名前に京助が前に迦楼羅がした昔話を思い出し迦楼羅の方を見る
乾闥婆を抱きしめただ黙って沙羅を見ている迦楼羅
『竜様…』
沙羅が柔らかく悲しそうに笑い軽く頭を下げた
『そして京助様と悠助様』
「へっ?」
「お姉さん誰?」
突然名前を呼ばれ京助と悠助がきょとんとする
「沙羅…お前は…」
『竜様…私は…私の【時】はもうじき終わります…そしてまた【時】が来る…』
静かに言った沙羅の周りにはいつの間にかたくさんの宝珠が浮かんでいた
そのうちのひとつ赤い宝珠がふわりと動き迦楼羅の目の前で止まった
『迦楼羅様』
「沙羅…」
微笑む沙羅が頷くと迦楼羅が手を出しその掌に宝珠が降りた
「さ…ら…」
「乾闥婆」
『…』
乾闥婆が絞り出したような声で沙羅を呼ぶ
「ごめんなさい…ッ!! ごめん なさい…ッ」
泣きながら沙羅に向かい謝る乾闥婆の体を迦楼羅が黙ったまま押さえ抱きしめる
『終わらせて…もう こんな想いは私たちだけで…』
「沙羅ッ!!!! 沙羅!! さらぁあッ!!!」
足元から消え始めた沙羅と帝羅
乾闥婆が叫び沙羅に手を伸ばした
「放せぇッ!!!」
帝羅が叫ぶとバチバチッと電気のようなものが沙羅と帝羅を取り巻いた
「…効いてない…んじゃね?」
「ああ…彼女には効かない」
京助が言うと竜が返す
「放せ!! 放せ!! 僕様はッーーーーー…」
「沙羅ぁあああああーーー!!!!」
乾闥婆と帝羅の声が混ざり辺りに響き優しい風がその場吹き抜ける