【無幻真天楼 第十四回・弐】ひまわり
「阿修羅、京助の友達を」
「あいさ」
竜にいわれた阿修羅が南と中島の肩を叩いた
何か言いたそうに口を動かした中島と腕に抱えたコマとイヌをぎゅっと抱きしめた南に京助が笑顔を向けた
「後から片付け手伝えよな」
「あ…お…おう!!」
「南は余計散らかしそうだけどな」
「ひっで;」
いつも通りのふざけた会話
でもどことなくなんとなくいつもと違っているのは誰も気付いていた
「京助!! 悠!! ラムちゃん!!」
阿修羅におされながら南が振り向き叫ぶ
「…後でなッ!!!」
「南…」
緊那羅が眉を下げて笑い京助が親指を立てた
「なぁ…大丈夫だよな?」
「当たり前だろッ!!」
足早に阿修羅の後ろをついていく中島が南に聞いた
「今の俺たちに出来ること…これくらいじゃん」
「…そ だな…」
「信じようぜ」
中島が頷く
振り向きたくても振り向かない振り向いたらきっと駆け出したくなる
でもそれは今中島と南がするべきことではないから
南がコマとイヌに顔をうずめた
作品名:【無幻真天楼 第十四回・弐】ひまわり 作家名:島原あゆむ