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島原あゆむ
島原あゆむ
novelistID. 27645
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【無幻真天楼 第十四回・弐】ひまわり

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瓦礫をよけながら家の中に入った鳥倶婆迦が動かなくなった向日葵と向かい合っている母ハルミを見つけて駆け寄る
「ハルミ…」
「うぐちゃん…」
赤く泣き腫らした目からまた涙があふれた母ハルミが鳥倶婆迦を抱きしめた
「ハルミ…これ…この向日葵って…」
ふと鳥倶婆迦が鉢を見ると悠助がかいたのであろうミミズの這った様な字で書かれていた【ヒマ子さん】という名前
「…ヒマ子さんね…自分がこうなるのわかって竜之助をあの姿にしてくれたの…京助の笑顔が見たいからって京助の…」
鳥倶婆迦を抱きしめる母ハルミの腕に力がこもった
「ヒマ子さん…」
鳥倶婆迦が呟き普通の向日葵になったヒマ子を見る
「ハルミ…おいちゃん今…どんな顔してる?」
「…え?」
小さく聞いてきた鳥倶婆迦に母ハルミが抱きしめる力を弱め鳥倶婆迦を見た
迦楼羅の羽が広がりそのすぐ横に歩み出た乾闥婆が袖を止めていた布を両方はずすとその布を大きく振り下ろした
するとその布がピンっと伸び二刀の剣になり乾闥婆が構える
「下がっているといっただろうッ;」
「嫌だといったでしょう」
「今度はワシが守るといっただろう!!」
「だから嫌だといったじゃないですか」
お互い顔は見ずに言い合う乾闥婆と迦楼羅の声がだんだんと大きくなっていく
「…うるさいよ君達」
帝羅を睨んだまま矜羯羅が突っ込むと制多迦がヘラっと笑った
「少しは可愛らしく言う事を聞いたらどうなのだたわけッ!!」
「可愛らしくないもので聞きたくありません」
「ッ;」
怒鳴った迦楼羅をさらっと乾闥婆が受け流す
「…るらの負け」
「やかましいわ!! たわけッ!!!!;」
笑いながら言った制多迦に迦楼羅が怒鳴った