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「レイコの青春」 22~24

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こうして幸子とレイコ、美千子と靖子という、
高校時代の生徒会グループのメンバーたちが中心となって、
認可保育園の建設を目指すための、準備会つくりが始まりました。
とはいえ、保育園の運営に関しては幸子以外の全員が、全くの素人です。
何をどう準備したらいいのかさえ解らず、
その道筋自体すら、さっぱりと見えません。


 とりあえず、幸子とレイコが
保母さん達の情報をもとに、各地の共同保育所の実践例を調べはじめました。
民間レベルの取り組みによって、認可保育園作りに着手している
先進地の情報を集めることが、最初の主な仕事になりました。
一方、保護者たちへの対策をまかされた美千子と靖子は、
30名余りの園児の父兄を相手に、それぞれ個別で
アンケートを取り始めます。


 そんな準備がすすむなかで、市役所の福祉課には、
中学時代の同級生が在籍していることが判明をしました。
「ガリベン君」とあだ名されたいたこの同級生は、
突然訪れた幸子とレイコを、目を丸くしながらも快く出迎えてくれました。



 「懐かしい同級生で、
 なおかつ美つくしすぎるお二人の来訪は、まことにもって大歓迎です。
 しかし残念ながら僕の守備範囲は、社会福祉事業の全般です。
 君たちの保育園を管轄しているのは、
 正しくは、保健福祉部内の児童福祉課だと思います。
 なんだい・・・おい、おい
 こら、待てよ、待てったら。
 何だよ、まったくもって失礼だな、君たちは。
 ここには用がないと解ると、さっさと帰るんだから始末が悪い。
 昔から見切りが早すぎるんだよ、君たちは。
 もう少し、僕の話を聞いていけ。
 良い情報なども提供するからさ。」



 立ち去りかけた幸子とレイコが、急いで戻ってきます。
左右からガリベン君のデスクを、がぜんとして挟み撃ちにしました。
幸子の豊かな胸が、ガリベン君の顔へ急接近をします。



 「まぁまぁ待て、待て。
 頼むから、そんなにも急接近をしないでくれたまえ。
 こう見えても、僕はすでに立派な所帯持ちだ。
 綺麗なご婦人たちに、あまりにも急接近をされると
 立場上、なにかと非常にまずいものもある。
 ここではなんだから、
 チョットその辺で話をしよう。」



 立ち上がったガリベン君が、すぐ隣席の高校を出たばかりの
女子職員へ、小銭入れをそのまま渡しながら、


 「4人分のコーヒーを買ってきて。
 僕はいつものやつで、余った残りのもう一本は例によって、君の分。」



 そう頼んでから、空いている面談室のドアを指さしました。