「レイコの青春」 22~24
「失礼だわ、レイコに。
あの子は私とは違って、そっち方面だけは実に真面目だもの。
もっかは、保母の見習い中です。
通信教育で資格資格を取るために、例によって猛勉強をしてるわよ。
残念なことに、子持ちは、あなたと私の2人だけ。
私は、子供が2人だけど、
あなたはいっぺんに双子が授かったんですって、
大変ねぇ。」
「見た通りなの。うれしい悲鳴をあげてるわ。
乳幼児の保育だけでも助かるけど、
この先でなでしこが、認可保育園の建設運動を始めるって聞いたけど、
それって、本当なの。」
「本当よ。それが「なでしこ」の最終の目標だもの、
もちろん本気で取り組むわ。
あなただって、それが必要だからこそ此処に来たんでしょう。
生徒会時代の同志として、私も大いに歓迎するわ。」
「子持ち同士としてなら、大いに嬉しいけれど・・・・
私はまだ、ちゃんとした亭主持ちの身分です。
悪いけど、すでに一度目の離婚経験の仲間にだけは
今のところ、入りたくはありません。」
「幸子でしょう、
余計な事をしゃべったのは。
いつも一言多いんだから・・・、あいつったら、もう。
ついでに言っておきますが、それぞれに男親が違いますので
正確には、一度ではなく、すでに離婚は2度目です。」
「あらまぁ、さすがに美千子です。
相変わらず行動的で、元気いっぱいの美千子らしいわね。
悪びれないところもあなたらしくて、見事だわ。」
「それって、褒めてくれてるの?
それとも、本気でけなしてるのかしら・・・」
作品名:「レイコの青春」 22~24 作家名:落合順平